その他の精神(心)の病
認知症以外には、当院では成人の神経発達症群(自閉スペクトラム症、ADHDなど)、統合失調症およびその類縁疾患、双極性障害(躁うつ病)、抑うつ障害群(うつ病)、不安症群(ドイツ語でいうノイローゼ)(社交不安症(対人恐怖とかぶっています)、パニック症、全般不安症など)、強迫症、睡眠―覚醒障害群(不眠症)などを扱っています。
これらに対する治療法としては、
①薬物療法
薬を始めるにあたって、治療に関するさまざまな事を話し合い、医者と患者がその内容に同意ができたときに、明確な言葉にして取り決めを行います。すなわち、インフォームド・コンセント(説明と同意)に基づいた対等な立場における協力関係(治療同盟)を結ぶことから始まります。また「薬には依存性がある」「一生薬を飲まなければならない」「薬を飲み続けると認知症になる」などの憶測や思い込み(アサンプション)を患者が率直に口にできる治療関係を気づくことをめざします。患者側の情緒や考え(転移)や、医者側の情緒や考え(逆転移)などの心理的効果が、薬の作用に加わって、現実のいい効果が現れます。もちろん副作用に注意しながら薬物の調整を行います。
②精神療法
支持的精神療法というやり方で、温かい受容的な態度で接し、患者さんの話に耳を傾け、共感した上で、不安や緊張、恐怖などの症状を和らげ、患者さんが自主的に症状を解決するのを支え、励まし、助言を与え、患者さんを支持していく療法です。精神療法の分類の筆頭に挙げているやり方です。